報酬規程

第三章 着手金及び報酬金

第二節 刑事事件

第三十条(刑事事件の着手金)

1.刑事事件の着手金は、次表のとおりとする。

刑事事件の内容 着手金
起訴前及び起訴後(第一審及び上訴審をいう。以下同じ。)の事案簡明な事件 三〇万円以上五〇万円以下
起訴前及び起訴後の前段以外の事件及び再審事件 三〇万円以上
再審請求事件 三〇万円以上

2.前項の事案簡明な事件とは、特段の事件の複雑さ、困難さ又は繁雑さが予想されず、委任事務処理に特段の労力又は時間を要しないと見込まれる事件であって、起訴前については事実関係に争いがない情状事件、起訴後については公判終結までの公判開廷数が二ないし三開廷程度と見込まれる情状事件(上告事件を除く。)、上告審は事実関係に争いがない情状事件をいう。

第三十一条(刑事事件の報酬金)

1.刑事事件の報酬金は、次表のとおりとする。

刑事事件の内容 結果 報酬金
事案簡明な事件 起訴前 不起訴 三〇万円以上五〇万円以下
求略式命令 前段の額を超えない額
起訴後 刑の執行猶予 三〇万円以上五〇万円以下
求刑された刑が
軽減された場合
前段の額を超えない額
前段以外の刑事事件 起訴前 不起訴 三〇万円以上
求略式命令 三〇万円以上
起訴後
(再審事件を含む。)
無罪 五〇万円以上
刑の執行猶予 三〇万円以上
求刑された刑が
軽減された場合
軽減の程度による相当な額
検察官上訴が
棄却された場合
三〇万円以上
再審請求事件 三〇万円以上

2.前項の事案簡明な事件とは、前条の事案簡明な事件と見込まれ、かつ結果において予想された委任事務処理量で結論を得た事件をいう。

第三十二条(刑事事件につき同一弁護士が引き続き受任した場合等)

1.起訴前に受任した事件が起訴(求略式命令を除く。)され、引き続いて同一弁護士が起訴後の事件を受任するときは、第三十条に定める着手金を受けることができる。
ただし、事案簡明な事件については、起訴前の事件の着手金の二分の一とする。

2.刑事事件につき同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、前二条の規定にかかわらず、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができる。

3.弁護士は、追加して受任する事件が同種であることにより、追加件数の割合に比して一件当たりの執務量が軽減されるときは、追加受任する事件につき、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができる。

第三十三条(検察官の上訴取下げ等)

検察官の上訴の取下げ又は免訴、公訴棄却、刑の免除、破棄差戻若しくは破棄移送の言渡しがあったときの報酬金は、それまでに弁護人が費やした時間及び執務量を考慮したうえ、第三十一条の規定を準用する。

第三十四条(保釈等)

保釈、勾留の執行停止、抗告、即時抗告、準抗告、特別抗告、勾留理由開示等の申立事件の着手金及び報酬金は、依頼者との協議により、被疑事件又は被告事件の着手金及び報酬金とは別に、相当な額を受けることができる。

第三十五条(告訴、告発等)

告訴、告発、検察審査の申立、仮釈放、仮出獄、恩赦等の手続の着手金は、一件につき一〇万円以上とし、報酬金は、依頼者との協議により受けることができる。

このページのトップへ