事業承継

今まで会社を経営してきたけれども、年齢的にもそろそろ引退を考えたい。しかし、会社の先行きにも不安がある。このようなケースについて、悩んでおられる経営者は多いものです。

平成17年の統計によれば、中小企業の経営者の平均年齢は60歳弱になっており、早晩引退を控えておられる方も多いようです。
しかし、引退=事業承継の手順について、相談する方がない場合も多いという統計結果もあります。そこで、当事務所では、弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士が適宜チームを構成して、会社の状況、社員の状態を十分検討しながら承継を進めてまいります。

事業承継を考える前に、魅力ある会社に再編しましょう

日本の中小企業は、小資本での事業継続の結果、多額の債務を抱えていることが多くあります。このような場合、会社経営者は、事業承継を考えるときに、まず、現況の会社が引き継ぐ価値があるか否かについて悩むことになります。

そこで、われわれは、ご相談頂いた場合には、最初に、承継される会社を調べて、企業の承継を一つの機会として、よりよい会社とするために何をしたらいいのか、提案させていただきます。そして、「会社の将来」が見えてきたところで、どなたに承継していただくか、検討することにしていただいております。

事業承継のパターン 承継する人ごとに問題整理しましょう

妻・子供などの親族による承継の場合

大阪は、中小企業が多く、各企業は、会社形態はとっていても、ほとんどが親族ないし個人による経営となっています。このような会社では、まず、子供や親族への事業承継を考えるのが普通です。この場合、次のような点について話し合いをすることが重要となります。

妻・子供が事業を承継するケースでは、多くの場合、相続問題と重なってきます。小さな企業だけに、誰か一人が相続するのか、それとも、みんなで会社を盛り立てていくのか、その場合、どういった役割分担をするのか、いずれも微妙な利害関係が働きます。承継より相当以前の段階から、顧客対策や金融機関対策など、様々な準備を、じっくり時間をかけて行う必要があります。

有能な従業員等による承継の場合

しかし、子供や親族に適当な承継人がいない場合、従業員の中で有能な方を承継人とすることが考えられます。

中小企業の場合、親族の後継者がなく、技術・ノウハウや得意先を抱える従業員が承継を名乗り出ることがあります。このような場合、承継に伴い、旧経営者ないしその相続人に支払う対価の算定方法が問題となります。具体的には、本社建物や工場等の不動産の評価方法、機械設備など動産の評価方法、顧客・ノウハウ等の無形資産の評価方法、金融機関等からの借金の承継問題など、相続の場合以上に難しい問題があり、承継予定者と旧経営者及びその相続人らとの間に、承継金額について大きな思惑の違いがあるのが普通です。

第三者への事業承継

有力な従業員がいない場合には、第三者へ事業承継して、経営者の引退資金にする場合があります。この場合、従業員の将来についても考慮する必要があります。
また、中小企業の多くは、一部の事業については有望であるが、不振事業も抱えているなどの事情があります。このような場合には、会社の事業の見直しや、債務の圧縮など、リストラクチャリングに努める必要があります。

事業譲渡を機会に、経営者の保証債務を解消したり、老後資金を獲得したり、税金問題を考えたりして、経営者の「引退」を完成させます。

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